一歩一歩、着実な歩みを
学参デザイン・組版・図版クリエイター

第18回 過ぎ行く時の中で考える

投稿日:

2012年も、半年間が過ぎました。
6月は梅雨の季節でした。
たまの晴れ間には太陽の有り難みを感じる日々を過ごしております。
もうすぐ梅雨も明け、まぶしい夏がやってくるのでしょう。

それにしても、もう下半期です。
年齢を重ねていくと、時間が過ぎるのを速く感じるというのは通説ですが、
本当に実感として早く感じます。
「ついこの間、お正月だったと思ったのに、もう半分も過ぎてしまった。」といった具合です。
年配の方は口々に、「もっと時が過ぎるのを速く感じる様になるよ。」と言われます。

広島から東京に出て12年になるでしょうか。
たまに故郷に帰っても、友人も町並みも変わっていて、驚くばかりです。
今では日々新しく生まれ変わる東京の生活に慣れ、知人も多く楽しく暮らしています。
故郷での思い出も薄れてきています。

そこでふと、浦島太郎のお話しを思い出しました。
浦島太郎は竜宮城で楽しい一時を過ごし、そろそろ帰ろうと人間界へ帰ったときには、
あまりに時間が過ぎ去っていて、玉手箱を開けた浦島太郎は老人になってしまいます。
そんな昔話の解釈や教訓には色々な説がありますが、
故郷の関わり方を考えさせられます。

無我夢中で生きている東京が私の新しい故郷になるでしょう。
三十年後、現役を終えて『ふっ』と広島の故郷を思う時、
懐かしい物はすべてなくなり、偲い出も消えてるのでしょう。
時折、育ててくれた故郷を訪ね、偲いをつなぐ事が大切に思います。

人生、光陰矢の如し…。亡き祖父がよく言っていました。
時が経つのが年々速く感じるのは致し方無い様です。
あーでもない、こーでもない、うーんうーん、などと考えているうちに、
待ちくたびれて故郷は変わってしまうかもしれません。
考え無しに生活しても時間は戻りません。
あまり考えすぎずに、故郷に「おかげさまで 元気です」を伝えにいこうと思います。
浦島太郎にならないうちに。
芸備線沿線の風景

芸備線沿線の風景。「安芸の国から」たかひろ様よりご提供いただきました。

 

 

〈学参デザイン・組版・イラストのクリエイター〉
有限会社ジェット 東京営業所 廣田知子

Top