一歩一歩、着実な歩みを
学参デザイン・組版・図版クリエイター

第17回 アーティスト

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「アーティスト」という映画を観てきました。
サイレント映画の大スターの男優とまだまだ駆け出しの新人女優が、
トーキーの登場により立場が逆転する。
大スターは没落し、女優は躍進する、というストーリー。

没落した大スターの男優は『サイレント映画こそ芸術』だと固執するアーティストでした。
時代は彼の〈こだわり〉を置き去りにし、
刺激的で娯楽性のあるトーキーに流れていきました。
映画では、没落した大スターが復活を遂げてプライドを取り戻し、
ハッピーエンドで終わりますが、
それは彼が俳優としての本分に気付き、
時代の流れを受け入れ挑戦する勇気をもったからこそです。
より豊かな表現方法で人を感動させるアーティストに変化したのだと思います。

弊社では、デザイン等をする際、
読みやすく判りやすい紙面作りにとっても〈こだわり〉ます。
何度も何度も何度も微調整を繰り返します。
担当デザイナーが音をあげてしまいそうなほどです。
当初、そういった〈こだわり〉は伝わらないのでは、
と考えている自分がいましたが、
仕事に関わるほど〈こだわり〉の持つチカラというものを強く感じるようになりました。
やはり、〈こだわり〉を持って作成したものは、
強いメッセージを伝える事が出来ると思います。

昨今、電子書籍化の流れが無視できないものとなってきました。
例えば、米Apple社の製品は新たな可能性を現実にしました。
iPodは、曲をダウンロードするというシステム構築で音楽業界を変えたと思います。
iPhoneは、驚愕のタッチパネルと動作性で携帯は電話をするものという概念を変えました。
iPadは、赤ちゃんでも操作できる美しいパソコンのような印象で何でもできてしまうと感動しました。

新しい時代の流れを受け入れ、
印刷された本でも、電子書籍でも、媒体に固執するのではなく、
読みやすく判りやすい紙面作りに挑戦し続けたいと思います。

 

 

〈学参デザイン・組版・イラストのクリエイター〉
有限会社ジェット 東京営業所 廣田知子

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