お盆の頃から庭や境界の法面のあちらこちらで白いユリの花が咲きました。
高さは1.5m〜2mにも届きそうで、細い茎に細い葉、莟が3〜6個付いています。
2、3年前から梅の木の下に1本だけ自然に生えていましたが
花が美しいのでそのまま除草しないでいました。
今年の夏、突然20本も庭のあちらこちらで芽を出し、
細い茎に似合わずたくましく育ち、わずかな土のところでも
大きく育ち花を咲かせました。
ユリは5〜6月に咲くはずなのにと悩みながら調べてみると、
なんと侵入生物のタカサゴユリだと分かりました。
『タカサゴユリは台湾原産の帰化植物で、
観賞用として大正時代に導入され、荒地に生育し、
花の外側が赤褐色を帯びている点などが特徴的』
とあるのですが庭のユリは外側も白く赤い筋などありません。
『テッポウユリとの交配種も野生化しており、交配種には紫色のストライプが無いものが有る』
との記述から新テッポウユリのようです。
タカサゴユリは風で沢山の種子を飛ばし侵入後、1年目は茎を形成しないで栄養を貯め、
2、3年後に茎を出し開花し、年々大型化し多数の花をつけるそうです。
だから今年、突然のように思えたのでしょう。
しかし、連作障害を受けやすいため、長期間同じ場所に
生育しにくく、突然消えるそうです。
タカサゴユリは「旅するユリ」とも呼ばれるそうです。
来年はさらに大きな群落になるのか、
新たな場所へと旅立つのか分かりません。
7月と8月には余りにも暑いので草取りをしないので、
その間に大きく育ったようで
私には驚きと共に楽しみなことでした。
外来種のため除草すべきなのですが、ネットでも販売されていたりして、
やはり花が美しいため、なかなか駆除されにくいようです。
タカサゴユリが侵入生物とは少し複雑ですが、厳しい環境でも
たくましく美しく生き生きと咲く姿に心が躍り、励まされます。
できることならば、庭に長く留まることを願ってしまいます。
ムクゲも自然に育ち、今年、花を沢山つけ夏の庭を
彩りましたよ。
平成27年9月〈学参デザイン・組版・イラストのクリエイター〉 有限会社ジェット 廣田 久美子