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せとか

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せとか「せとか」は柑橘の名前です。
昨年、初めて食してその美味しさに驚きました。
果実は200~300g程で柑橘のなかでも比較的大きい方です。
果皮は濃いオレンジ色で外皮も薄く、
中の実の皮も薄く柔らかで口に残りません。
新しい品種のようで
  2001年10月に品種登録され、
  せとかは長崎の果樹試験場で「清美」と「アンコール」をかけ合わせ、
  更に「マーコット」を交配して育成
  農研機構によると、「せとか」名前の由来は
  育成地(長崎県口之津町)から望む地名(早崎瀬戸)、
  瀬戸内地方での栽培が期待されること、
  及び、この品種のもつ良香にちなんでいる
そうです。

今年も節分を待ちわびてそろそろ「せとか」が店頭に並ぶので、いち早く注文を出しました。
楽しみに待ったジューシーな「せとか」を早速、ぱくり!!
???????? 苦い…???? やっぱり苦い…???? これ本当に「せとか」????
昨年の「せとか」とは味が余りにも違います。まだ出始めなので熟していないのか????
悩んだ末、販売店に問い合わせをすることに、『本当に「せとか」ですか?』

すると『実は、生産地から「今年は変味が多い」との連絡がありました。』との回答。
料金を全て返金してくださいました。
「せとか」は寒さに弱く、昨年暮れから例年にない寒さ続きで変味が起きたそうです。
温室の温度が保つため重油を炊かれるそうですが、今年の寒波に勝てなかったようです。
一年かけて丹誠込めてつくられた「せとか」が変味により売ることができず、とても気の毒に思います。

まさか産地から「今年は変味が多い」と連絡が入り、購入代金を全て返してくださるとは思いもしませんでした。
生産者のご苦労と熱意と誠意を知り、毎日食する農作物に対し深く考えてしまいます。
昨年からの台風や寒波等の影響で野菜の高騰が続いていますが、現在の価格が本当なのかもしれないと…。
天候に左右され努力が報われない厳しさで、農業をあきらめ会社勤めを選ぶ方が多いのでしょう。
農業で高収入を得れないと、どんどん農業者人口が衰退するので現在の価格でも良いのでは、と考えてしまいます。

果樹試験場などでの交配技術が進んで、清美・晴美・不知火・せとか等の新しい柑橘が生まれても、
天候をコントロールできる技術は無く、穏やかな日々を祈るばかりです。
後日、買った「せとか」は柔らかく美味しく、香りも豊でしたよ。
まだ「せとか」を食べた事が無い人は是非、一度食べてみてください。
穏やかな瀬戸内海の香りがしますよ。
瀬戸内

〈学参デザイン・組版・イラストのクリエイター〉 有限会社ジェット 廣田久美子

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